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藤浪晋太郎は病気・イップスで引退危機か?イップスのきっかけと進退予想

2023年からメジャーリーグのアスレチックスに所属している藤浪晋太郎投手。

大谷翔平選手と同年代で、大阪桐蔭高校時代には、3年生の時に甲子園春夏連覇を達成しています。

2013年、阪神にドラフト1位で入団しましたが、もともと荒れ球でコントロールはそれほど良くなかったようです。

それでも、2014年、2015年と2桁勝利を達成し、評価も上々でした。

しかし、2016年ごろから制球に苦しむようになり、数字にも徐々に表れるようになります。

環境を変えるため、心機一転メジャーリーグに挑戦していますが、やはり制球難(ノーコン)に苦しんでいます。

そこで、本記事では藤浪晋太郎投手の四死球の推移を整理し、制球難の推定原因と来シーズンの動向(予想)についてまとめました。

藤浪晋太郎のプロ成績推移

2013年~2022年(10年間)の阪神での成績です。

年度登板投球回与四球与死球与四死球率防御率
201324106137.24423.022.75
20142511816364114.143.53
20152814719982114.212.4
2016267111697084.153.25
20171135594588.084.12
20181353714746.465.32
20191004.16217.562.08
2020241676.14024.974.01
2021213348.14048.235.21
2022163566.22133.263.38

2015年までは、2桁勝利と調子が良かったことがうかがえます。

しかし、2016年に勝ちと負けが逆転し、それ以降は与四死球率に見られるように、大きく成績を落とすようになります。

与四死球率は、1試合(9回)を投げたときに与える四死球の数です。

2017年以降、四死球の数が激増し、登板回数も激減しています。

もともと荒れ球だった

2016年までの与四死球率は、4前後と数字上は極端に悪い成績ではありません。

しかし、与死球は2014年、2015年とリーグワーストでした。

特に、右バッターに対して”すっぽ抜ける”球がデッドボールになるケースが多く、その恐怖心からか、右バッターは踏み込んで打てないという状況が有利に働き、打ち取ることも多かったようです。

元他球団の監督も「藤浪の良さは荒れ球」と指摘しており、良い意味で長所になっていたようです。

藤浪晋太郎が制球難に陥ったきっかけは3つ?

出典:アサ芸プラス

2016年以降の成績不振に陥ったきっかけは、何だったのでしょうか。

スポーツ系記事などで指摘されているきっかけは、主に3つあるようです。

①広島・黒田選手への暴投

2015年4月25日、広島との一戦で、黒田博樹投手がバッターの時にそれは起きました。

黒田選手に対して、2球続けて内角へすっぽ抜けの暴投を投げてしまいました。

これに黒田選手は激高。藤浪晋太郎選手に詰め寄ろうとし、一触即発の状態になります。

JBpressによると、この時の藤浪晋太郎選手は、「マウンドで黒田に対し、謝罪の意思を示して帽子をとっていたものの「酷い震えが止まらない状態」になっていた」そうです。

これがトラウマになった可能性があると、同記事では指摘してます。

「あの当時、自分はベンチにいた。恐怖感からなのか、黒田に恫喝されてから藤浪の表情は完全に青ざめてしまって明らかにガクガクと小刻みに震え上がっていた。藤浪本人は気付いていないようだったが、おそらくあの瞬間から知らず知らずのうちに内角攻めへの怖さが体に染み付いてしまったのだろう」とは元阪神のチームスタッフの証言だ。

阪神・藤浪が克服困難な“死球病”に陥った背景 トラキチが待ちわびる剛腕復活の目はもうないのか(2/3) | JBpress (ジェイビープレス) (ismedia.jp)

②広島戦での161球

2016年7月8日、広島戦に先発登板しましたが、序盤から制球を乱し、3回5失点。

普通に考えれば、試合をこれ以上壊したくないという考えから、ピッチャーを交代するケースが多いと思います。

しかし、当時の金本監督は続投を決断。

8回で161球を投げ、8失点という結果となりました。

これに対し、一部では懲罰的ではないかと批判も出ていたようです。

デイリー新潮は、「イップスのきっかけにこの日の登板が挙げられている」と指摘しています。

藤浪のイップスのきっかけには阪神時代の2016年7月8日、先発した広島戦で序盤から制球を乱しながらも、教育的措置のように161球で強制完投させた金本知憲監督(当時)の采配が挙げられてきた。

(2ページ目)藤浪晋太郎、“イップス”重症で引退危機 「野球を辞めるまで治らない」と専門家の指摘 | デイリー新潮 (dailyshincho.jp)

③荒れ球に対する指摘

2015年、キャリアハイとなる14勝をマークしましたが、上でも述べたとおり、与死球が11とリーグワーストでした。

JBpressによると、この年のオフ、当時のチームスタッフや球団OBから「「荒れ球を何とか克服しなければ成長はない」と散々口うるさく言われ、藤浪はパニックに陥ってしまった」そう。

さらに、

「あれこれと悩んでいるうちに黒田から恫喝されたシーンまでもがフラッシュバックし、彼の頭の中に恐怖感が呼び起こされてこびりついてしまったようだ。

阪神・藤浪が克服困難な“死球病”に陥った背景 トラキチが待ちわびる剛腕復活の目はもうないのか(2/3) | JBpress (ジェイビープレス) (ismedia.jp)

とのことで、①の一件と絡み合い、イップスになったのでは、と指摘されています。

藤浪晋太郎の制球難(ノーコン)の原因は?

病気(イップス)の可能性【本人は否定】

2016年シーズンから、制球難による不調が表面化し始め、2017年以降はすっぽ抜けによる頭部付近へのデッドボールも増え、一部でイップスではないかと囁かられるようになりました。

2023年の現在も、イップスの可能性を指摘する声は聞こえます。

しかし、藤浪晋太郎選手本人は、これを明確に否定しています。

「制球難ってイップスで片づけやすいんですよ。ただ、イップスって投げることすら難しい状態を指す言葉です。なのに『いやいやいや、自分は違う』といくら否定しても、『イップスを認めないことには次のステップに進めないぞ』とか『イップスは治らない』と聞く耳を持ってもらえない。ふざけんな、誰がイップスや!と本当に悔しかったですね」

藤浪晋太郎がすべてを語った「本当に悔しかった。誰がイップスや」 | FRIDAYデジタル (kodansha.co.jp)

そもそもイップスとは?

では、そもそもイップスとは何なのでしょうか?

イップス(イップス症状)は心の葛藤(意識、無意識)により、筋肉や神経細胞、脳細胞にまで影響を及ぼす心理的症状です。

イップスについて|日本イップス協会 (japan-yips.com)

ココカラネクストによると、もともとはゴルフ用語で、1930年前後に活躍したプロゴルファーのトミー・アーマーが思うようなパットができずに苦しんだのが始まりだそう。

野球におけるイップスの症状は?

野球の場合、イップスになると、腕が震えたり、硬直してしまいボールを思うように送球(プレー)できなくなります。

例えば、過去に暴投や大事な場面でミスをしたことがきっかけで、守備の時にトラウマとなって甦り、腕が縮こまってしまい、暴投やミスを繰り返してしまうことです。

ピッチャーの場合は、デッドボールへの恐怖心などから、内角へ投げられなかったり、不安になって手に力が入らず、すっぽ抜けてしまったり、などが考えられます。

フォーム改造・技術不足【本人注力】

出典:sportiva

2016年オフ、2桁勝利に届かなかったことを理由に投球フォームの改造に着手します。

藤浪晋太郎選手はこのフォーム修正が原因だったと分析されています。

「プロ4年目の’16年、初めてフタケタ勝利に届かず負け越したんです。何かを変えなきゃ勝てなくなると思い、いろいろな理論を学び、フォームの修正に手を付け、評判のいいトレーニングを取り入れるなかで、本来のフォームを見失ってしまった。うまくボールに力が伝わるタイミングがわからなくなってしまった」

藤浪晋太郎がすべてを語った「本当に悔しかった。誰がイップスや」 | FRIDAYデジタル (kodansha.co.jp)

しかし、2017年シーズン終了後、藤浪晋太郎選手は「技術的根拠がなくフィーリングだけでやってきた」と当時の金本監督に告白しているそうです。

それもあってか、山本昌さんや藤川球児さんによる指導は、問題点の指摘と改善方法が明確だったこともあり、大きな収穫を得たようです。

その甲斐もあり、与四死球の数も改善の傾向が見え、復調の兆しが見えてきたところで、今回のメジャー挑戦に至ったようです。

2023年7月現在、調子は上向き傾向?

ここ最近の藤浪選手は、スターターや抑えとして、短い投球回での登板が多くなっています。

というのも、登板した回は抑えられても、回を跨ぐと途端に崩れる傾向にあり、回を跨がない起用法が多くなっているためです。

ただ、この起用法が功を奏しているのか、7月2日現在、直近10試合の登板で防御率2.43という成績を収めています。

今シーズンで見れば防御率は9.57ですが、2桁あった防御率も1桁台になり、改善傾向にあります

さらに、勝利数もチームトップの4勝

これは運が良いとしか言えませんが、『運も実力のうち』ということであれば、やはり調子は上向いているのかもしれません。

藤浪晋太郎のメジャー契約は1年!その後はどうなる?候補は5つ!

現在所属しているアスレチックスとは1年契約となっています。

2023年シーズン終了後、藤浪晋太郎の進退はどのようになるのでしょうか。

大きく5つの選択肢があると思いますので、それぞれについて整理してみます。

メジャーリーグで契約更新

2023年5月現在、メジャーリーガーとして約2ヶ月が経過しましたが、いまだ制球難に苦しんでいます。

5月28日現在、15試合に登板し、1勝5敗。

約28回を投げて与四死球28、与四死球率9、防御率12.24と成績は芳しくありません。

特に、回を跨ぐと崩れるという状況にあり、この現状が改善しない限り、メジャーでの契約更新は厳しいかと思います。

個人的には、今後制球力を上げ、汚名返上と来季以降の活躍を期待しているのですが。。。

メジャーリーグ球団とマイナー契約

メジャー契約が最も良いですが、そうならなくとも、マイナー契約でメジャーリーグ昇格の可能性を残すこともありえます。

しかし、これもマイナーでもいいから藤浪晋太郎選手を欲しいとする球団がいることが前提。

やはり、今季の成績次第ということです。

日本のプロ野球(NPB)復帰

日本のプロ野球(NPB)への復帰も候補としてあります。

しかし、各球団ともに消極的になる可能性が高いようです。

「日本では阪神の熱狂的な応援が制球を乱すプレッシャーの一因になっていたとされた。しかも現在の阪神投手陣は強力で、藤浪の居場所はない。出戻りはないだろう。かといって他球団も制球難になった経緯は把握している。どこも獲得には消極的になるのではないか」(セ・リーグ球団編成担当)

(3ページ目)藤浪晋太郎、“イップス”重症で引退危機 「野球を辞めるまで治らない」と専門家の指摘 | デイリー新潮 (dailyshincho.jp)

ただ、巨人の原監督は以前から藤浪晋太郎選手に興味を示していたようですので、もしかすると藤浪晋太郎選手の獲得に手を挙げる可能性もあるかもしれません。

日本の独立リーグ加入

これについては、候補としてありえますが、特に他の記事でも言及されていません。

日本球界復帰でNPBが難しくとも、独立リーグでもし獲得に動く球団があれば、可能性はあり得ます。

独立リーグはただでさえ財政的に厳しい状況ですので、甲子園のスターでメジャー経験もある藤浪晋太郎選手が加入するとなれば、喜ばれる可能性はあるかもしれませんね。

引退

最後に、引退の可能性です。

メジャーリーグや日本球界のどこからもオファーがない場合は、残念ながら引退という可能性も出てくるかもしれません。

いずれにしても、2023年シーズンが藤浪晋太郎選手の岐路になる可能性は高いようです。

いち野球ファンとしては、藤浪晋太郎選手が今後もプロ野球界を盛り上げてくれることを祈っているのですが、果たして。。。

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