
日本テレビ系ドラマ「最高の教師 1年後、私は生徒に■された」第2話のネタバレを含むあらすじをお届けします。
前半は、ネタバレ”なし”のあらすじ
後半が、ネタバレ”あり”のあらすじです。
「最高の教師」のストーリー
「最高の教師 1年後、私は生徒に■された」のストーリーを紹介します。
鳳来高校3年D組の担任・九条里奈(松岡茉由)が、卒業式の日、「担任生徒の誰か」に突き落とされる。
時を遡り目を開けると、1年前の始業式の日、九条は「30人の容疑者」である担任生徒を前に教卓に立っていた。
時を遡ったことから、九条は覚悟を決め、自分を殺害する「30人の容疑者」である生徒たちと命がけで向き合っい、自分の人生と生徒の再教育をする。
1話ごとに生徒を再教育し、クラスを変え、人生を変えようと奮闘する九条。
誰が九条を突き落としたのか、そこにはどんな理由・経緯があったのか、最終回まで目が離せないストーリーとなっています。
「最高の教師」第2話|あらすじ(ネタバレなし)
「最高の教師」第2話のあらすじです。
ここは、『ネタバレなし』ですので、ネタバレされたくない!という方は安心してお読みください。
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第1話で死の直前に時間が遡り、2度目の1年が始まった九条里奈。
生徒を再教育し、自分の人生を変えるため、「何でもやります」と生徒に宣言。
文字通り「何でもやって」鵜久森叶に対するいじめの事実を暴き、鵜久森を救うことに成功した。
しかし、それも束の間、1度目の人生で夫・蓮から離婚を突き付けられることを思い出す。
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家に帰った九条は、案の定、夫・蓮から離婚届を突き付けられる。
理由もわからないまま離婚を受け入れた前回の人生と同じ道を歩みたくないと思う九条。
どうした良いか、一人思い悩み夜道を歩いていると、突然、目出し帽を被った黒づくめの男たちが襲う―。
一方、鳳来高校3年D組の教室は週明けから様子が一変する。
今まで鵜久森を無視していた生徒たちが、何事もなかったように鵜久森に話しかけてくるのだ。
それまでの仕打ちがウソのように、奇妙なほど普通の雰囲気に。
《次週予告で映っていた「九条里奈対策委員会」なるものが影響しているのか。》
そんな中、九条は、親の借金で苦しむ瓜生陽介が見せたある異変に気付く。
家庭訪問と称して瓜生の自宅に行くと瓜生家に渦巻く問題が―。
九条は、いったいどう向き合うのか。
瓜生をめぐる魂の授業が始まる。
「最高の教師」第2話|小説風ネタバレあらすじ
ここでは、「最高の教師」第2話の小説風あらすじ(ネタバレあり)をお届けします。
ドラマをほぼ再現しています。
夫・蓮からの離婚届

自宅のテーブルに置かれた離婚届。
夫・蓮は離婚届を見つめながら、これまでの夫婦生活を思い出していた。
「いつからだろう。俺がこの紙を書こうと思い始めたのは。楽しく笑顔でいっぱいの家庭を築こう。そんなありふれた言葉から俺たちの夫婦生活は始まりを告げた。そして、こんなありふれた言葉から終わりを迎えるんだ。」
九条が部屋に入ると、案の定、テーブルに置かれた離婚届と椅子に座って待つ夫・蓮の姿が。
蓮「ちょっと大事な話があるんだけど」
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ボーリング場。
「え?離婚?」
九条をボーリングの練習に誘った友人・夏穂が、九条の予想外の一言に驚く。
***《九条の回想》***
前回の1年の時も同じだった。
理由ややり直しの方法を聞いても、ありきたりな返答と、「ごめんな」という小さな謝罪の声しか聞けず、そして3ヵ月後、この思いに応えるのが妻としての最後の仕事だと自分に言い聞かせた私は、離婚を受理することになる。
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ボーリング場の帰り、突然目出し帽を被った黒づくめの2人に鞄をひったくられそうになる。

どうにか鞄を守った九条は、2人の足元を見て、担任生徒であると気付く。
怖気づく2人。
九条「あなたたち、うちの生徒ですか。あの証拠の動画を奪い取りに来たんですか。残念ながら休日にノートPCは持ち歩いておりません。それに、あのデータをPCだけに保存していると思いますか」
この九条の言葉に、2人はその場から退散する。
帰宅した九条は、2人の特徴を思い出しながら、クローゼットを開ける。
身長は170~180cmくらい。
1人は黒い運動靴、もう1人は擦れた革靴。
クラス全員の写真と相関が描かれたボードを前に、
直接人に危害を加えることに抵抗がない人物として、容疑者生徒2人を絞り込む。

向坂俊二 と 瓜生陽介
週明けの月曜とクラスの異変
週明けの月曜日。
朝、九条は鵜久森叶と待ち合わせる。

九条と会った鵜久森は、「家を出るのが怖かったが、先生のおかげで家を出られた。先生にありがとうございますって伝えたかった」と伝える。
そして、「学校の近くになったら一人で行きたい。そう決めたのは自分。」と、強い気持ちで九条に伝える。
校門の前に到着した鵜久森。
不安でいっぱいになる。
そんな時、ちょうど登校してきたクラスの女子2人から、「鵜久森さん、おはよう」と声を掛けられる。
驚いた鵜久森は「おはよう」と返し、教室に向かう。
教室に着いた鵜久森は、他の女子生徒からも普通に話しかけられる。
クラスの突然の変わりように驚く鵜久森。
化学準備室からその様子を監視カメラでチェックする九条。

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昼休み、化学準備室。
九条は鵜久森と昼食を取りながら、午前中の様子について話を聞く。
これまでの仕打ちが嘘のように、何事もなかったように、生徒が普通に接してきたことに、変な怖さを抱く鵜久森。
九条も鵜久森の考えに理解を示した。
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時を同じくして、工学研究会の部室。
問題児グループ8人(相楽琉偉、西野美月、野辺桐子、金澤優芽、迫田竜輝、瓜生陽介、江波美里、向坂俊二)がたむろう。
彼らは週末に「九条里奈対策委員会」とするSNSグループを立ち上げ、鵜久森を除く29人の生徒全員を招待していた。
そしてそのSNSグループ内で、西野美月から「週明け鵜久森には普通に接すること」と指示が飛んでいたのだ。
彼らの思惑がうまく進む一方で、相楽は週末の九条襲撃に失敗した2人を追及する。

瓜生は「あのPCだけにデータが入ってるわけではない」と弁明するも
相良は「だったら家を燃やすくらいの気概で、あのデータをどうにかしようぜ」と、相手にしない。
瓜生「そんなに言うならお前がやりゃいいじゃん」
相良「俺がやったら親が悲しむじゃん。お前ん家と違って」
その一言に他のメンバーが笑う中、瓜生はうつむき、共犯の向坂も瓜生を心配げに見つめた。
瓜生の家庭の秘密
帰宅した九条。
離婚のことを夏穂に相談したことを打ち明け、蓮もそれに理解を示す。

九条は続けて、蓮に離婚の本当の理由を問いただす。
しかし、ここでも「ごめんな」の一言だけ。
九条「あなたはそうやってずっと謝るけど…」
蓮「ずっと…ずっとこの日々が続くのが怖くなったのかもしれない。」
九条「なんで?」
蓮「ごめん、そういう気持ちになっちゃったんだ」
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居酒屋で腰エプロンを巻く瓜生。
「今日から、よろしくお願いします!」
店主の早乙女は、「本当のお姉ちゃんだと思って頼ってね!」と寄り添い、瓜生を鼓舞した。

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帰宅した瓜生。
バイトで稼いだ金を母親に渡し、
「今日からバイトを1個増やしたから、来月からもう少し渡せると思う」と伝える。
母は足の指にマニキュアを塗りながら、顔も見ずに「そっか」とそっけない態度。
隣の部屋から弟2人が瓜生の帰宅を喜ぶ。

瓜生も笑顔を見せ、バイト先でもらってきた料理を弟たちに出そうとする。
しかし、母は渡された金が先月よりも少ないと瓜生に問いただす。
瓜生は予備校の入学金に使ったと釈明するが、
母は「家の金を勝手に使ってんじゃない!」と怒鳴り散らす。
さらに、「あんた大学に行こうとしてんの?弟たちが可哀想じゃないの?ねえ!ねえ!」と瓜生の肩を掴み、詰め寄る。

そんな母の姿に弟2人もうつむいて、おびえていた。
瓜生家への突撃家庭訪問
放課後、九条は瓜生の自宅を訪れる。
家には母親が一人。
九条は、新学期の家庭訪問という体で話を始める。
母親は、息子について何か迷惑なことがあればいつでも転校させると切り出す。

それに対し、九条は「陽介君は一生懸命な生徒。学力も十分大学進学が狙える」と伝える。
「大学といっても色々と事情もあるんで」とお茶を濁そうとする母親に対し、九条は
「もし私にできることがあったらいつでも言ってください。私は、何でもしますので。」
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下校時間、鵜久森は意を決して東風谷葵に声をかける。
しかし、東風谷の後ろから来た中園胡桃と生田やよいが、鵜久森に
「もしかして、あんたがあの時言ってたみたいに『誰かと帰る』って希望を叶えようと頑張っちゃった系?東風谷、私たちと買い物の予定だから」
と冷たくあしらい、3人はその場を去っていった。

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バイト先で電話に応える瓜生。
弟からの電話で、母親がいないことを知った瓜生はもう少ししたら帰ることを伝える。
電話を切ると、そこには九条が。
九条は瓜生を別の場所に連れ出す。
場所を移した九条は瓜生に、今日家庭訪問をしてきたこと、そこで気になったこととして、高級な化粧品と何着もの女性ものの洋服に溢れていたことを告げる。
さらに、2023年7月18日、瓜生の転校のお別れ会が開かれるという衝撃の事実を伝える。

「頭おかしいのか?」九条の話が信じられない瓜生だが、九条は話を続ける。
「もし、それを避け、他の生徒とともに卒業したいと願うのなら、私が何でもします。」
瓜生「うちのババアがおかしい?そんなのわかってるんだよ!たとえそうだったとして、弟たちがいて、俺に何ができるっていうんだよ!」
九条「そうやってずっと待つんですか?向こうが変わってくれることを。そんなに大人なんて期待できる存在ですか?」
「普段大人をあれだけ馬鹿にし、侮辱し、尊敬もなにもない態度を取るくせに、なぜそうやって最後の最後、大人は子供を無碍にしないのだと期待ができるんですか。」
「瓜生君の方こそわかっているんじゃないですか。むしろ、大人の方こそ自分の生き方を変えない屈折した生き物なんだと」
「もし、瓜生君が苦しんでいるのなら、親だろうが大人だろうが関係ない。我慢せずに正直に言い放っていいんです」

「うるせー、家族のことがそんな理屈で片付くなら苦労しねーんだよ!可哀想だと思ってんじゃねーよ!」
瓜生は、その場を立ち去り、路地裏に座り込み、うなだれる。
そこに、バイト先の店主・早乙女が現れる。
瓜生の絶望
早乙女の店に場所を移した早乙女と瓜生。
早乙女から「どうしたの?」と問われ、
瓜生は意を決して相談する。
「俺のバイト代、いくらまでなら前借できますか?」

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ー数日後ー
帰宅した瓜生。
瓜生は、大事な話があると母親に封筒を手渡す。
封筒には札束が。

瓜生は、これをヤバい人たちに渡して、今年1年、ここを追い出さないように言ってくれないかとお願いする。
「俺さ、今の学校のやつら結構好きなんだよ。一緒に卒業してぇんだ。」
しかし
母親「陽介、本当にありがとう。あんたには、迷惑ばかりかけて。あんたがいてくれて本当に良かった。」
「ちょうど春だし買わなきゃいけないものもあって。でも、あの人たちの取り立ても厳しくなってて諦めててさぁ」
信じられない一言に、瓜生は母親からお金を奪い返そうとする。
しかし、母親に拒否され、さらに痛烈な一言を浴びせられる。
「ちょっと金を稼ぐようになったら、感謝の気持ちも忘れたのか!父さん出てって、それでもあんたたち食わせてきたのは誰?学校行かせて、携帯も遊び道具も買ってあげたの、誰?」

怒りに震える瓜生。
その時、玄関のチャイムが鳴る。
九条の母親を巻き込んだ再教育!
家庭訪問と称して訪れた九条。
母親に脇目も振らず、部屋に上がって瓜生の元へ。

「瓜生君、大丈夫ですか?言いたいことは全部言えましたか?大人はちゃんとあなたの期待に応えてくれましたか?」
母親は、学校か警察に電話すると九条に警告するが、九条は
「どうぞ、わたしはただ家庭訪問に来ただけと伝えますから。生徒の人生の大切な瞬間に立ち会えればそれでいいので。」
瓜生「消えろよ!話をややこしくしてんじゃねーよ!」
九条「それはすみません。でも、私も保護者に伝えることがあるので。黙って聞いていてください。」
母親の元に座り、個人の想像と前提を置いた上で九条が語り掛ける。
「お母様、瓜生君がなぜあなたに我慢していると思いますか?それは、恐れているからです。自分がただ、母親にとってお金を稼いでくるだけの存在と思われているんじゃないかと」
母親「失礼なことを!そんなわけないでしょ!」
九条「ではなぜ、それをしっかりと伝えてあげないんですか?なぜ、子供が大人の顔色をうかがうような状況を作るんですか?一度でも安心して顔を見て話を聞く状況を作ったことはあるんですか?」
母親「いい加減にしなさいよ!あんた親の大変さがわかってそんなこと言ってんの!?ねぇ?」
九条「子供はおりません。なので、親としての経験を経て言っていません。ですが、私も子供だった経験はあります」
九条は隣にいる瓜生に向き直し、語り掛ける。
「瓜生君、子供の先輩として1つ言わせてください。確かに、親の教えは大切です。でも、物心ついてから私の人格を形成した一番の要因は”友達”です。友達の言葉に、行動に、私の人生は間違いなく強い影響を受けてきました。だから、友達の意見も聞いてみてください。」
突然、ドアから向坂俊二が入ってくる。
瓜生「向坂…」
母親の元に座り、この数日で稼いだ金が入った封筒を母親に差し出す向坂。

「陽介と一緒に卒業させてください。お願いします。」
そう言うと向坂は母親に頭を下げた。
瓜生は、こんなことされても嬉しくない、と向坂の頭を上げさせるが、
向坂は、九条が自分の家に来たと話し始める。
「九条が、お金のせいでお前が転校するかもしれないって話を俺に伝えてきた。」
瓜生は、九条に「友達にこんな状況チクってんじゃねーよ!」と怒声を浴びせるが、向坂は冷静に「でも、本気で困っていたことは確かなんだろ」と静かに語り掛ける。
「お前んちが色々大変なのは知ってたよ。でもそのせいで学校を出ていくことになるなんて聞いてねーよ」
「なぁ!」瓜生の胸ぐらを掴む向坂。

「俺らに可哀想って思われるんが嫌だったか。何くせぇプライド張ってんだよ。たとえ今そう思われたとして、10年後すげー奴になって、俺のこと可哀想な奴だって色つけて札束で叩けばいいじゃねーかよ!」
「九条が俺んとこ来た時、言ったことがあんだよ。」
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《回想シーン》
夜、橋で話す九条と向坂。
九条「私もそうでしたが、幼いころからお金は大切だと何度も教わってきました。でも、お金ごときで一番大切なものを失う必要はないと思います。なぜなら、お金の価値観など、時がたち、大人になれば簡単に変わるからです。私はもっと若いときに知りたかったです。だから、今お伝えします。周りの助力でどうにかできる金額ならば、もっと素直に助けを求めてよいのだと。」
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向坂「はじめは何不自由なく過ごしてるやつの戯言だと思ったよ。でも同時に思った。そう言える大人になりゃいいんだって。」
「お前いつも言ってただろ。いい大学行って、いい会社入って、お前らのこと見下してやるんだって。俺思うよ。お前なら本当にそれ叶えるんだろうって。」
「だから、今恩を売らしてくれよ。」
母親の方に向き直す向坂。
「お願いします。俺、こいつと遊んでる時間が一番大切な時間なんです。だから、一緒に卒業させてください。お願いします。」
再び頭を下げる向坂。

それを見た母親も
「わかったよ。陽介あんた、背伸びして入った学校でいい友達出来たんだね。ごめんね、母さん何も知らなくて。ちゃんと1年学校通って、卒業してきなさい。」
その一言に喜ぶ向坂。
向坂が瓜生に抱きついて喜んでいると、九条が瓜生に話しかける。
「いいんですか。これでおしまいで。言いたいことは全部きちんと言えましたか?これが最後の機会かもしれませんよ。」
母親の方を向く瓜生。
これまでの心に溜め込んだ母親への思い、不満をぶつける瓜生。

「一生をかけて、行動で俺たちに許させてみろよ!」
息子である瓜生の本心を知った母親は、涙する。
鵜久森への謝罪
公園のベンチに座る瓜生と向坂。

瓜生「死ぬほどカッコ悪いとこ見せたな。」
向坂「いや、格好つけてるやつよりかは格好いいんじゃね」
向坂は九条に質問する。
「なんで俺を選んでくれたの?」
九条「夜道で人を襲う片棒を担ぐぐらいですから。一番、瓜生君を思っている人と考えました。」
瓜生「ありがとう。先生のおかげで言いたいこと言えたよ」
九条「いりません。そんな一時の感傷に浸るお礼などいらないと言いました。そんなことよりあなた方にはすべきことがあるはずです。」
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放課後、クラスメイトを待つ鵜久森。
「待ってても誰も来ないぞ」
瓜生と向坂が近づいてくる。
向坂「今朝SNSのグループで、お前をかわすために裏口から帰るようにお達しが出てたから。」
落胆して席を立つ鵜久森。
「悪かった!」
瓜生と向坂が鵜久森に謝罪する。

「お前にしたこと、許してもらえるなんて思ってないけど、本当に申し訳ない」
頭を下げる二人に驚く鵜久森。

「これから、こいつのバイト先に顔をだしに行こうと思ってるんだけど、一緒に行く?」
と向坂が鵜久森を誘う。
さらに驚いた表情をする鵜久森。
最初は断ろうとしつつも、「駅までで良ければ」と返答し、微笑む。

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べすとほっぷ
「開店前にすみません」
瓜生のバイト先である「べすとほっぷ」に到着した瓜生と向坂。
九条の友人、夏穂がビールを片手に2人を出迎える。
早乙女は、夏穂が高校からの友達であると瓜生に紹介。
さらにもう1人の友人、カウンターに座る九条を紹介する。

驚く瓜生と向坂。
早乙女「騙すようなことしてごめんね。君をバイトに誘ったのも里奈からお願いされて声かけたんだよね」
九条「おそらく瓜生君は私からお金を受け取らないと思ったので」
向坂「すっげー、マジで何でもするんだな。あの人」
早乙女になぜ今回の件に協力したのか、質問する向坂。
「あたし、昔お金が理由であいつらと同じ高校を中退してるんだよね。たぶん、その時のことを里奈も悔やんでくれてると思って、私に話を持ってきたんだと思うけど」
離婚への思いと殺害予告
九条の自宅
帰宅した夫・蓮。
ダイニングチェアに座る九条から、「大事な話がある」と切り出される。
「最近、生徒の家族のことでいろいろあって、思ったことがある。いつの間にか、大人のふりして格好つけてた。蓮が離婚したいって言って、私全然本心じゃないのに、心のどこかで最後くらい”いい妻”として終わりたいって格好つけてた自分がいたって。だから、1個だけ、子供みたいなこと言ってもいいですか?
私離婚したくない。本当は嫌だ。蓮はこの日々がずっと続くことが怖くなったって言うけど、私思うの、この日々が次の瞬間に消えてしまうことがあるんだって。だから、この日々を守りたいって思った。ダメかな。」
「どうした里奈。初めて聞いた気がする。里奈のそんな感じの言葉。わかった。ちょっとだけ考えてもいいかな。偉そうな意味じゃなくて。」

九条は、この日を境に、少しだけ前回の人生よりも呼吸のしやすい夫婦生活が訪れたことを感じた。
だが、それは突然起こった。前回の人生には存在しなかった、殺害予告が。
(第2話おわり)