
日本テレビ系ドラマ「最高の教師 1年後、私は生徒に■された」第4話のネタバレを含むあらすじをお届けします。
前半は、ネタバレ”なし”のあらすじ
後半が、ネタバレ”あり”のあらすじです。
「最高の教師」のストーリー
「最高の教師 1年後、私は生徒に■された」のストーリーを紹介します。
鳳来高校3年D組の担任・九条里奈(松岡茉由)が、卒業式の日、「担任生徒の誰か」に突き落とされる。
時を遡り目を開けると、1年前の始業式の日、九条は「30人の容疑者」である担任生徒を前に教卓に立っていた。
時を遡ったことから、九条は覚悟を決め、自分を殺害する「30人の容疑者」である生徒たちと命がけで向き合っい、自分の人生と生徒の再教育をする。
1話ごとに生徒を再教育し、クラスを変え、人生を変えようと奮闘する九条。
誰が九条を突き落としたのか、そこにはどんな理由・経緯があったのか、最終回まで目が離せないストーリーです。
「最高の教師」第4話|あらすじ(ネタバレなし)
「最高の教師」第4話のあらすじです。
ここは、『ネタバレなし』ですので、ネタバレされたくない!という方は安心してお読みください。
===========
「私、いま、2周目の人生なんだ」
九条は、夫・蓮に自身の秘密を打ち明け、1回目の人生で突き落とされたことや、2周目の人生で起きたことなどを伝える。
蓮の「突き落とした犯人は分かってるの?」という問いかけに、九条はー。
それから1ヶ月。
3年D組では平穏な日々が過ぎていた。
鵜久森は、東風谷と阿久津との仲を深め、週末に出かけることに。
一方で、相良や西野のグループは不気味な沈黙を続けていた。
そんな中、阿久津と東風谷を使った九条への圧力に失敗した江波は、自分の居場所がなくならないか、顔色を伺う日々を過ごしていた。
そんなある日、幼馴染の浜岡から思いを告げられる。
返答に悩んでいた江波だが、突然校内放送で化学準備室に来るように指示される。
呼び出された理由に皆目見当がつかない江波に、九条は「昨晩、浜岡修吾さんという方から交際を申し込まれましたか?」と問う。
知るはずのない九条から衝撃の問いかけに、驚く江波。
その様子を見た九条は、「その方とは金輪際、関りを断ってください」と告げる。
さらに九条は衝撃の未来を告げる…「2023年8月31日。江波さんが持っていたカッターナイフで、浜岡さんを刺すことになる日です」
九条が告げる未来の出来事に、江波は1つの質問をするー。
そして、九条は直接浜岡と会い、「彼女とは関わりを断ってくれませんか?」とお願いする。
さらに、この騒動の裏を知る人物、栖原にも話を聞く。
第4話、江波と栖原をめぐり、『愛』と『自分の居場所』をテーマにした魂の授業が始まる...!
そして、星崎が九条のある秘密に迫る...!
「最高の教師」第4話|小説風ネタバレあらすじ
ここでは、「最高の教師」第4話の小説風あらすじ(ネタバレあり)をお届けします。
夫・蓮への秘密告白/江波の憂うつ
2周目の人生であることを打ち明けた九条。

夫・蓮は、「なるほど」と予想外の返答をする。
自分でもおかしいことを言っていると自覚していた九条は、予想外の返答に、逆に驚いた。
蓮は、書斎を指さし、書斎の奥にある九条が作った3年D組の表に未来の日付の入った付箋が貼ってあったことを挙げ、九条が2周目の人生を過ごしていることに合点がいったのだ。
蓮は、九条が今感じていることを全部聞かせてほしいと、お願いする。
=====
カフェで1人、スマホをいじる江波。
江波:いつからだろう?一日の時間のうち、家より外で過ごす時間の方が増えていったのは。別に何か特別な出来事があって、そうしているわけではない。ただ。人よりちょっとだけ、家に帰る理由が少ないだけだ。だから私は少しでも足を止める出来事を探してしまう。
カフェに入ってきた栖原。
入れ違いで店を出る江波に気づく。

=====
自宅。
『九条が死ぬ未来を変えるために、覚悟を持って生徒たちと向き合うことにしたこと』までを理解した蓮。
にわかに信じられない話を普通に聞く蓮に対し、九条は「なんで?」と問う。
蓮「おかしくなったのか、変な夢でも見たのか、そうやって疑って否定することは簡単。でも俺は、自分の大切な人が真剣に打ち明けてくれた何かを、そういう簡単な言葉で終わらせたくないなって。」
「この世界さ、”そんなわけない”より、”そうかもしれない”の方が大事な事が多いじゃん?」
「もちろん全面的に信じることはまだ出来ないけど。里奈が真剣に悩んでるんだったら一緒に考えることができるよ。」

寄り添ってくれる蓮に涙ぐむ九条。
学校を辞めたっていいという蓮に、九条は「それはしない」と否定する。
「私もはじめ、逃げ出せばいいって思った。でも、追われたら意味ないし。それに、もう知っちゃったから。伝えてなかった自分と、伝えるべきことがある生徒。」
蓮は核心を突く。
「里奈は分かってるの?その…犯人。あの子が一番可能性ある、とか」
九条は黙って頷く。
【2023年7月6日】江波の秘密と衝撃の事実
2023年7月6日
昼休み。
教室で3人で話す鵜久森、阿久津、東風谷。

東風谷が今週末3人で一緒に買い物に行かない?と2人を誘う。
鵜久森と阿久津も賛同。
横にいた星崎透も話に割り込み、待ち合わせ場所を聞いてくる。
楽しげに話す4人を見て、クラスの後ろにたむろう西野たちが話題にする。
西野「よく平気で一緒にいるよね、東風谷たち。そもそもあんたらがミスるから、こんな調子に乗った空気が成立してんだけど」

「本当、ごめん」
謝る江波に、西野はテンションの上がる話を要求する。
金澤は、江波に新彼氏ができたことを暴露する。
昨日、近所の3個上の幼馴染に告白されたことを打ち明ける江波。
相良は席に座って、静かに前を見ている。
前回の一件以来、約1ヶ月、ずっと静観していたのだ。
そんな相良を見て、西野「なんかあいつ仕出かすかもなー。嵐の静けさ的な」

突然、校内放送が鳴り、江波が化学準備室に呼び出される。
声の主は九条。
西野は、九条を排除するきっかけを掴んでくるよう江波に指示する。
=====
化学準備室に到着した江波に、九条は単刀直入に問いかける。
「昨晩、浜岡シュウゴさんという方から交際を申し込まれましたか?」
驚く江波。
その様子を見た九条は確信する。
そして、浜岡と金輪際関わりを断つように指示する。

続けて、九条は江波にとって衝撃の事実を伝える。
「2023年8月31日。夏休みの最終日。江波さんが持っていたカッターナイフで浜岡さんを刺すことになる日です。」
驚く江波。手には録音中のスマホが。
=====
いつものカフェで一人、先ほどの九条とのやり取りの音声を聞く江波。

*******
【江波の回想】
「2023年8月31日。夏休みの最終日。江波さんが持っていたカッターナイフで浜岡さんを刺すことになる日です。」
「私はそれを止めるために、今日江波さんを呼びました。」
「こんなの脅迫じゃん。あんた絶対訴えるから」と切り捨て、部屋を出ようとする江波。
九条は、江波の心を強く揺さぶる言葉を投げかける。
「私の居場所がない。浜岡さんを刺した直後、警察署であなたはその言葉を口にすることになります。やっとできたはずの居場所を踏みにじった人、私は許せなかったと。」
「今の話の中に、あなたの心に引っ掛かるものが何一つなければ、どうぞお手元に録音するその音声を使って、いつでも私を糾弾していただいて構いません。ですが、やはりあなたが居場所を求め、さまよう日々に悩むというのであれば、私は何でもします。」
江波は九条の言葉を冷笑し、強がって部屋を出ようとするが、1つだけ九条に質問する。

「あんたが妄想する、そのふざけた予言の中に、なんで私の友達が寄り添ってくれるって未来はないの?」
返答できない九条。
落胆し、江波は部屋を出る。
*******
江波と栖原
考え込む江波。
「江波、この店好きなの?」
声をかけてきたのは栖原だ。
背中に背負っていたギターを下ろし、江波の横に座る。
「この前、夜にここ来た時も見かけたんだよね。で、ここに来たら江波に会えるかなーって思って、来てみた」
驚く江波。
「マジで受け取んなよ」と茶化す栖原。

今日はいろいろ考える日なんだと明かす江波に、「意味ないね」と返す栖原。
栖原「みんないちいち、いろんなこと難しく考えすぎじゃないかなって。この世の中、みんなが思ってるよりイージーだと思うけどな、俺。」
江波「つくづくあんた私と正反対だね」
栖原「アイスとホットの注文を逆だしな」
江波「この季節にホット頼む人間マジで合わない」
栖原「辛口なコメント出るねー、1人のときは」
この言葉に引っかかる表情をする江波。
九条が予想する犯人
夜、自宅。
蓮「なんでその江波さんという子が一番可能性あると思ったの?」
九条は、江波が犯人である可能性が高いと考えた理由を説明する。
「頼ることをしてくれたの。一度だけ。江波さんが警察に連れていかれて、迎えに呼ばれたのが、担任の私だった。これって結構珍しいことで、たぶん彼女自身が自分の両親に頼ることを嫌ったんだと思う。」

迎えに行った九条に対し、江波は「居場所がない」と吐露。
苦しそうに話す彼女に、九条は自分が入ることで両親との関係がより悪くなるのでは、と彼女と向き合わない理由ばかりを並べ、見えているものを見ぬふりをした。
だから、江波にだけは突き落とされても仕方ないと。
蓮「でも、高校生の子が恋人になるかもしれない人と金輪際会うな、と言われて、真っ当にそうするかな」
「私もそれは難しいと思う」
九条はそう言いつつも、それだけ強い言葉を耳にすれば必然的に考える時間を作るだろうと期待する。
「生徒が自分で考えて決断した偉大な一歩は、驚くほど何かを変えることを、私の方が生徒から教わったの」
=====
自分の部屋で洋服を選ぶ鵜久森。
畳んだ洗濯物を持ってきた母が、鵜久森の様子を見て何しているのか尋ねる。
「ちょっと洋服選んでる。明日友達と出かけるから。」

母はその様子を見て学校が楽しいか尋ねると、鵜久森は笑顔で楽しいと返す。
その表情を見て少し安堵した表情を浮かべた。
江波の家族と居場所
江波の自宅。
帰宅した江波は夕飯を片付ける母に、テーブルに残っているおかずを食べていいか尋ねる。
母「外で食べてこなかったんだ。」
冷たくあしらう母に、寂しげな表情を浮かべる江波。

母は、ソファに座る妹のミキのもとへ行き、先日の模試の結果を喜ぶ。
難関校のA判定に、「あなたは違うわね」と江波にとって辛い一言を言い放つ。
ミキがリビングを出ると、母は冷めた目で江波を見て、「で、結局食べないの?」。
江波もたまらず「やっぱ、いいや」と断った。
週末、波乱の幕開け
書店を出る、鵜久森、阿久津、東風谷、星崎の4人。

道を歩いていると、栖原に声を掛けられる。
それぞれが驚く中、栖原と一緒にいた浜岡が紹介される。

全員栖原のクラスメートだと知った浜岡は、江波と幼馴染であることを明かし、せっかくだからと皆で食事に行こうと誘う。
すかさず、東風谷が鵜久森のことを思い、「私ら女子はそういう感じじゃないんで」と断ろうとする。
しかし、鵜久森は東風谷に「大丈夫だよ」と心配させないように気遣う。
栖原「俺の事許してないから、鵜久森さんが嫌がると思った感じ?」
「何かあったの?お前ら」と、浜岡は2人の関係に疑問を持つが、栖原は「気にしないでください」と言い、店の方に向かって歩き始める。
「本当に大丈夫?」
改めて確認する東風谷に、鵜久森は「栖原君だってクラスメートだし。それに、せっかくだからもう少し一緒にいたいんだ、皆と。」と言い、同行することに。
=====
あるカフェにて、西野美月、野辺桐子、金澤優芽、江波美里の4人が談笑していた。
西野、野辺、金澤がファッション業界の大物である西野の父のおかげで全品40%オフで買い物できたと喜ぶ中、江波だけはほとんど買わず、浮かない顔をしていた。
西野は、先日九条に呼び出された時、何か吹き込まれたのかと、江波に問いただす。

江波は「私に居場所がないみたいなこと言われて、ずっと引っかかっていた。みんなと過ごすこの時間もこの場所も居場所じゃないって言われた気がして」、と九条との面談後から心に引っかかっていたことを吐露する。
「私たちって、何があっても、ずっと友達だよね?」
この一言に3人は笑い出す。
野辺「何この”ずっ友”宣言!マジでこんなこと言う人実在すると思わなかった!」
西野「友達なんて、そうだよねって確認しようとした時点で、すでに破綻してるんじゃない?」
予想外の反応に目を伏せる江波。
=====
べすとほっぷ。
店長・早乙女の依頼で瓜生たちが天井に取り付けられた監視カメラを外す。

この辺りでレジの窃盗が増えていることに対する対策だと説明する早乙女。
ちょうどその時、鵜久森たちを連れた浜岡が入ってくる。
クラスメートの来店に驚く瓜生と向坂。
同様に、クラスメートがバイトしていることに驚く星崎や栖原ら。
すでにカウンターに座っていた九条の友人・夏穂が、話の流れで九条の友人であることを明かす。
鵜久森は、話の流れから夏穂が九条の話によく登場する親友であると気付くと、夏穂のところに行き、握手をねだり、いつも応援しています、とキラキラした目で挨拶する。
夏穂も気分が良くなり、握手を交わした。

九条と浜岡の直接対決
食事が進んだころ、浜岡が江波に告白したことを栖原に打ち明けた。
まだ江波から返事はもらってないと話し、そろそろ店を出ようと立ち上がる。
とそこへ、九条がべすとほっぷに入ってきた。
想定外の客に驚く、九条と生徒。
九条は、ここは行きつけの店だと話した上で、今日は浜岡に会いに来たと説明した。
浜岡を店の奥に連れて行き、浜岡が良く来ていたことは知っていたので、浜岡が来た時には連絡するよう頼んでおいたと釈明。
そして、頭を下げ、単刀直入に浜岡にお願いする。
「お願いします。江波美里さんから手を引いてもらえないでしょうか?」

驚く浜岡と生徒の面々。
この時、星崎が手元にあった自分のビデオカメラの録画ボタンを押す。

「美里に頼まれました?」と聞く浜岡に、「私の独断」と返す九条。
つづけて、
「私は、あなたが江波さんに何をしようとしているか、すべて知っています。彼女との関わりを断ってくれませんか?」
と迫る。
その時、浜岡のスマホに江波からメッセージが。
”会いたい”
「関係ない奴がしゃしゃり出てくるな」
そう九条に吐き捨て、店を出る浜岡。
九条は、この後少し残るよう、栖原にお願いする。
=====
夜の公園。
1人ベンチに座る江波。
そこに走ってきた浜岡が到着する。
栖原への魂の授業
閉店後のべすとほっぷ。
テーブルに向かい合って座った九条と栖原。
九条は、「本当は知ってますよね?浜岡が江波に近づいているのはお金稼ぎに利用するためだと。」と核心を突く。
何を言っているのか全然わからない、としらを切る栖原に、さらに信じがたい情報を伝える。
「2023年9月4日、栖原君が退院直後の浜岡さんを襲うことになる日です。」
九条の発言をにわかに信じられない栖原。
「俺が世話になってる先輩襲うわけないっしょ?自分で言うのもなんだけど、俺ってそういう非合理的な行動しないの」

九条「人生はとてもイージーだと思っている」
その発言に意表を突かれた表情をする栖原。
「事件のあと、ぽつりと漏らすあなたがいました。それが今のあなたの心情なんですよね。」
「しかし、後悔というのは、人の行動を大きく歪める力があります。」
「本日、浜岡さんとの交際を了承した江波さんは、彼との関係を自分の居場所と捉え、彼に依存するように寄り添うことになる。そしてその思いにつけ込み、浜岡さんは自身が管理するマッチングサイトへ彼女を送り込むことを始めます。」
「しかし、見つけた居場所がただ道具として扱われる場所だったと確信した彼女は浜岡さんを刺してしまう。」
「あなたは今、その浜岡さんの企みに薄っすら気づきながらも、見て見ぬふりをしようとしていませんか?江波さんに思いを寄せているにもかかわらず。」
「今のあなたは、わざわざ先輩に嫌われてまで止める必要はない。その企みが本当に起こるとは限らない。そうやって動き出さないための理由ばかりを頭に浮かべ、事態を静観しようとしていませんか?」
反論しようとする栖原に、九条は打ち明ける。
「私もそうでした。」
「この店で彼が武勇伝のように江波さんを釣り出す計画を話すのを聴きながら、そんな事態が本当に起こるわけはないと、事態を静観しました。しかしそれは起きてしまうんです。私たちが自分だけを守るために気づかないふりをしたその後、必ず」
栖原は、全部あんたの想像だろ、と話を遮るが、
「けどそれが起きたとしたら、あの時こうしていればと、後悔の念を抱く、それだけは間違いないと思いませんか?」
と畳みかける。

「この世界は簡単だと言い切るあなたに一つだけ質問をさせてください。」
「そう思うのは、ただあなたが失敗を恐れ、確実に成功する何かしか選んでこなかっただけではないでしょうか?失敗して自分が傷つく可能性のある出来事には、動かない理由を探して避けて、間違いが起きない選択だけをする。」
「私たちは、誰かが何か危機に瀕した状況が見えたとき、”そんなわけがない”よりも”そうかもしれない”で動くべきではないでしょうか?大切な人が傷つくことに、後悔する可能性があるのなら、この身一つぐらい差し出して根拠のない行動に出ても良いと思いませんか?」
店の片隅で星崎のビデオカメラが一部始終を録画していた。

江波へ。鵜久森の魂のメッセージ
3年D組。
今年の文化祭の出し物を決めるための会を開いていた。
黒板には「文化祭まで71日」
会を進行しているのは、倉知夕夏、月野春香、貴島千里子の3人。
3人が出した「喫茶店」という提案に、生徒全員が西野たちの顔色をうかがう。
西野も「別にいいんじゃん」と賛同し、進行役の3人にも安堵の表情が浮かぶ。

1人自分の席に座る江波は、窓際で音楽を聴く瑞奈ニカに近づき、
「学校久しぶりじゃない?最近、芸能活動の方も大活躍じゃん」
と話しかけるが、
「独りが嫌だからって変にこっち来なくていいよ」
と軽くあしらわれる。
とそこへ九条が来て、大切な話があるから放課後に化学準備室に来るよう江波に指示する。

その様子を見ていた鵜久森。
=====
放課後。
教室を出て帰ろうとする江波に、鵜久森が話しかける。
自身の経験をもとに、いま、この選択だけは間違ってはいけないと思うと、心のままに思いを伝えた。
浜岡の詐欺の決定打
放課後の化学準備室。

九条は1台のカメラをテーブルに置いた。
先日、べすとほっぷで瓜生たちが外していた監視カメラだ。
九条は、江波に浜岡が良く訪れる居酒屋に設置した盗聴器だと説明した。
そして、ノートパソコンに手をやり、ここに保存されている浜岡のある会話を聞くか尋ねる。
「この中にどんな言葉があるのかはなんとなくわかっている。でもここまで来て知らないふりはできない」
江波は聞く決心をする。
録音音声:浜岡と思われる声
「俺の幼馴染に、美里って奴がいてさ。これが結構病んでます系の女でさ、でも顔はめっちゃいいの。だから、俺らのサイトのパパさんたちにも結構人気出ると思うんだよ。」
別の男性の声「お前なんかがその子口説けんのかよ。」
浜岡と思われる声「大丈夫だから。美里の心のくすぐりどころなんてすぐわかるから。」
再生を止める九条。

「苦しい思いをさせて申し訳ありません。」
「江波さんには事実を突きつけなければ、わずかな望みを頼りに浜岡さんを信じ続けてしまうと思いました」
「満足?」
江波はなんとなくわかっていたと打ち明ける。
「隣にいるのに見てくれない気がして。あいつらと、ママとパパと同じような目でいつも私を通して私じゃない何かを見てばっかいて。気づくよそんなの。感じるよそんなの。」
「でもわかんないふりしなきゃ、隣にいれなくなっちゃうから。ここ失ったら、本当に居場所なくなっちゃうから。」
「これを知らせて、私に何がさせたいの。お前はどこにも居場所がないってわからせて、私はどうすればいいの?あんたは、私に何を教えてくれるの?」
江波の手を握る九条。

「残念ながら、教師は万能ではありません。」
「私がお伝えできるのは、この未来だけは選択すべきではない、という事実だけです」
江波「そんなんじゃなんも変わんないじゃん!何でもするんじゃないの?それじゃ結局自分でどうにかしろってことじゃんかよ!」
部屋を飛び出し、学校を飛び出した江波。
そこに、栖原から電話が。
しつこくかけてくる電話を切り、電源をオフにした。
うなだれ歩く江原は、吸い込まれるように、いつものカフェへ。
栖原がぶつける熱い想い
カフェでアイスカフェラテを注文する江波に、店員が「もしかして江波美里さんですか?」と尋ねる。
「はい」と答える江波。
店員は、一枚のメモを江波に渡した。
そこには、
『何か考えるときはココに来ると思ってた
月町公園で、今日1日いつまででも待つ 栖原』
の文字が。
=====
月町公園
ベンチで待つ栖原の元に、江波がやってきた。
「なんで私のこと、待っててくれたの?」
「めんどくせー、流れで察してんだろ」
「そのベンチでシュウゴ君の告白OKしたんだ」

「最高に縁起悪いね」
「やっぱり。知ってるんだ、シュウゴ君のこと」
「九条に言われてさ、ずっと考えてた」
「あいつに何言われたの?」
「愛情という本能的な人間関係の欠如を、教師が理屈を振りかざしてどうすることはできない。できるのは、本当に想いのある人だけだって。それから、傷ついた江波になんて声かけるべきか考えてた。」
「考えることが嫌いな俺が、考えて考えて考えまくって、1つだけ答えが出た」
「なに?」
「ねーよ!居場所なんて。どっかの誰かに安住の場所を求めても、嫌われたら終わり。他の誰かに取られたら終わり。それにビビって震えて、いつの間にか居場所と思った場所もそうじゃなくなっちまう」

「でもさ、別になくたってよくない?生きてたってだけで十分じゃん。てか立ってる自分を誇れよ。だってその場所にだれか来るかもしんねーし。」
「そんなの栖原だから言えるんだよ。私にはそんな特殊な考え…」
「それ!」
「江波はいつも皆と違う考えを否定しようとする。なんでそんなお揃いでいることばっか求めんの?」
「誰かと同じことを必要以上に求めなくていいんだよ。」
「たまにはさ、同じものを頼んで喜ぶんじゃなくて、違うものを頼んで文句言われない関係を喜べるようになれよ」
「この季節にホット頼む俺が、江波のこと好きなんだから」
「誰かが必要としてくれる居場所、必死に求めなくていいんだ。江波が立ってるその場所こそが、居場所だと思えばいい。」
「俺はお前の居場所なんてものにはなれやしないけど、お前の居場所には俺がいつだって言ってやれるよ」
「ありがとう。でも、ごめん。さすがに今日別れるって決めた人がいるのに、すぐさま別の人の想いに応えられる気持ちにはなれない」
「そりゃそうだ。とりあえず今日は、騙されたことに気づいて、心を踏みにじられた日だろ」
頷く江波。
江波に背を向け、「じゃあ、泣けば」。
泣き崩れる江波。

=====
化学準備室で物思いにふける九条の元に、メッセージが。
栖原から、江波と合流できたこと、そしてフラれたことを報告するメッセージだった。
ーーこうして2回目の人生の1学期が幕は閉じた。1年後の死への最大の可能性を摘み。
『地獄の2学期』へのプロローグ
相良の部屋。
部屋に設置した台でスロットを打つ相良。
そこへ、浜岡が入ってくる。
ソファで寝そべっていた迫田も思わず起き上がり、「誰この人?」と驚く。
浜岡は親しげに相良に話しかけ、「全然美里がツレないんだけど。話違うじゃん、相良君」と愚痴をこぼす。

黙ってスロットを打ち続ける相良。
=====
学校で勉強をしている鵜久森、東風谷、阿久津の元に星崎が現れる。
星崎は、べすとほっぷでの件で、カメラを店に忘れてしまい、偶然九条と栖原のやり取りが撮れていたことを打ち明けた。

そして、その時の動画の一部(栖原が浜岡を襲う日に言及した部分)を3人に見せ、星崎はこう推理した。
「俺、ピーンと来ちゃったのよ。先生、タイムリープしてるんじゃないかって」
地獄の2学期が、始まるー。